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ヴェンデミア・ダルティスタ

トマス・サラセーノ

オルネッライア2017「ソラーレ(眩い)」

オルネッライア2017
「ソラーレ(眩い)」

オルネッライア2017のキー・ワードとして、人間の行動が天体に与える影響を考えるため、「ソラーレ(眩い)」を選びました。この言葉をモチーフに、トマス・サラセーノがヴェンデミア・ダルティスタの第12回目となる作品を担当しました。

芸術家について

1973年、アルゼンチンで生まれ。未来像をテーマに作品を発表し、現代美術界に衝撃を与えました。芸術、生命科学、社会科学の三つを結び付け、三つの世界の合流点に、サラセーノ独自の世界である「空に浮かぶ彫刻」「自然との共生プロジェクト」「対話型のインスタレーション」を配置しました。生態系が混乱している現代、環境保全を目的として自然の中で生活し、自然を感じる方法を提案し、探求しています。

ヴェンデミア・ダルティスタの作品

サラセーノがヴェンデミア・ダルティスタの作品でモチーフにしたのが太陽で、人間だけでなく人間以外の生命や物体が、太陽とバランスよく共存する世界を取り上げました。人間と芸術作品が対話をすることで、クモの巣のように複雑に絡み合った関係が生まれ、ミクロとマクロの両方の世界へ広がり、ついに、太陽へ至るのです。サラセーノの作品は温度を感知する素材をラベルに使い、ボトルを手で持つと体温に反応して色が変わります。手で触れることにより、詩的に、そして、宇宙規模で生きる方法を模索してほしいとの考えがあります。多分野にまたがる芸術作品を制作することで、個人の想像力を越えた新しい世界が開けるのです。「PNEUMA 4.21x105」という作品では、分子構造的なガラスの彫刻を配しています。雲の形のガラスの球体でできており、従来の国家のように境界線や領土が一定ではなく、刻一刻と大きさや形を変える空中浮遊都市のおもむきがあります。サラセーノは、ガラスの彫刻は、石油や石炭のような化石燃料ではなく、太陽熱エネルギーで浮くと考えています。人類が住む太陽系にとって、最も重要なエネルギー源である太陽を常に忘れないようにとの想いがこもっています。この作品は、太陽が、人間だけでなく人間以外の生命や物体とバランスよく共存する世界からインスピレーションを得ました。地球の最も重要なエネルギー源である太陽を考え、新たな視点で注目するよう提案しているのです。

トマス・サラセーノがヴェンデミア・ダルティスタのためにデザインした「ソラーレ(眩い)」の大型ボトルの一部は、2020年9月1日から9日、サザビーズの協賛で競売し、収益金は全額、ソロモン・R・グッゲンハイム財団が推進する「マインズ・アイ」プログラムへ寄贈しました。

ギャラリー