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ヴェンデミア・ダルティスタ

レベッカ・ホーン

オルネッライア2008 「レネルジーア(エネルギー)」

オルネッライア2008
「レネルジーア(エネルギー)」

オルネッライア2008のキー・ワードとして「レネルジーア(エネルギー)」を選びました。2009年は陽光に恵まれ、凝縮感が非常に高く力強いワインができたヴィンテージで、ブドウが太陽のエネルギーを十分に蓄積した後、少しずつ放出し、ワインに独特の生命力を与えました。
このキー・ワードをモチーフに、レベッカ・ホーンがヴェンデミア・ダルティスタの第3回目となる作品を担当しました。

芸術家について

レベッカ・ホルン(1944-2024) ドイツ、ミヒェルシュタット生まれの彫刻家、パフォーマー、演出家。ドイツ在住で、同国を拠点に、世界の現代アートシーンを牽引。幅広い分野で優れた作品を残した多才なアーチスト。1970年代、パフォーマンスとインスタレーションの分野で一躍注目を浴び、その後、絵画、写真、動画、文字テキスト、舞台演出を手がける。作品中に繰り返し登場するモチーフは、「身体と空間、「動作と音楽」の関係性であり、「作品、観客、空間」の相互作用をメインのテーマとした作品には、多彩な表現力と、詩的で普遍的な躍動感が溢れている。

 レベッカは、自身の中に大量に蓄積した過去の記憶、科学、音楽、文学、神話、魔術、錬金術からインスピレーションを得て、「人間の存在と進化の意味」という人類の永遠のジレンマに挑んでいる。世界各国の主要な美術館では、作品を展示するだけでなく、2024年に逝去したことを受け、没後の回顧展を開催している。

ヴェンデミア・ダルティスタの作品

ホーンは、オルネッライア2008の特徴を表す言葉として選んだ「レネルジーア(エネルギー)」をモチーフにして、鏡と銅を組み合わせた動く彫刻を制作し、オルネッライアの樽熟庫に設置しました。ワインを造るプロセスからインスピレーションを得たこの彫刻は、周囲の空間と相互作用を起こして錬金術のプロセスを生み、液体、固体、空気をエネルギーへ変換する様子を表現しています。ダブルマグナム(3リットル)のボトルには、鏡と銅の彫刻をモチーフにして絵を描き、直筆の署名を入れました。アンペリアル(6リットル)では、ボトルの周囲を鏡と銅のオブジェで包んでいます。世界に1本しかないサルマナザール(9リットル)のボトルには鏡と銅の彫刻を配し、オルネッライアの樽熟庫に設置したインスタレーションと対になっています。

レベッカ・ホーンがヴェンデミア・ダルティスタのためにデザインした「レネルジーア(エネルギー)」の大型ボトルの一部は、2011年5月19日、ベルリンの新ナショナルギャラリーにおいて、クリスティーズのドイツ支社長、ランツァウ伯爵夫人がハンマーを持ってオークションを実施し、収益金は、ベルリンの「国立美術館友の会」に全額、寄贈しました。

ギャラリー