2013年の天候と作柄
プティ・マンサン 100
乾燥した2012年に続く2013年は、温暖ながら雨の多い冬で始まります。このため、発芽は最大15日も遅れました。気温が低く雨が多かったため、開花は不規則で長期間に及び、開花のシーズンが例年より2週間も遅くなります。この結果、ブドウの生育が不均等で、つぼみの数も例年より減少しました。幸い、6月末、例年通り夏が訪れ、乾燥して日照の多い気候に恵まれます。7月と8月には、何度か熱波に襲われました。ブドウの成長が遅くなったことは最終的には良い効果を生み、暑さのピークが過ぎても時間をかけて成熟しました。8月、例年通り大量の雨が降って気温が下がり、特に夜間の気温が大幅に下がったことで、芳香成分や、めりはりが効いて生命力にあふれる酸が大きく育ちました。10月の初め、何度か雨が降った後、ブドウの実が乾燥して水分が抜けて残糖度が理想のレベルになり、貴腐のニュアンスも出ました。収穫は10月13日から18日までで、3回に分けて摘みました。
醸造と熟成
収穫したブドウが醸造所に到着すると、ロット別に搾汁し、発酵させます。時間をかけてゆっくり柔らく果汁を搾り、それを一晩寝かせます。ロットごとに樽(新樽100%)へ入れ、アルコール発酵させます。発酵は22℃以下で進めました。目標の残糖度とアルコール度数に達すると、発酵を止めます。マロラクティック発酵は実施していません。澱を引いた後、12ヶ月間熟成させます。その後、いろいろなロットのワインをブレンドして瓶詰めします。ボトルに入った状態で更に1年間、瓶内熟成させてから、市場にリリースします。
醸造家の試飲コメント
「オルヌス・デル・オルネッライアは、ボルゲリに対する強い思い入れ、ボルゲリのテロワールを最大限に引き出したいとの熱い想い、長期熟成が可能な極上のデザート・ワインを造りたいとの熱情が一つになり、さらに、ボルゲリの地に吹く心地よい秋風が後押しして出来上がりました。2013年ヴィンテージは、冷涼な気候で収穫時期が遅かったため、ブドウはゆっくり熟成し、芳香成分も十分に蓄積できました。オルヌス・デル・オルネッライア2013は、色調が黄金色で、香りには、南国のドライ・フルーツ、カラメル、蜂蜜を感じます。口に含むと、残糖分と、果実味のある酸のバランスが絶妙で、アプリコット、蜂蜜、ドライ・フルーツの豊かな香りがあります」
2016年6月 最高醸造責任者 アクセル・ハインツ